国内初 ドローン2台の編隊飛行による農薬散布実証試験を実施
2018年6月19日に千葉県香取市の農事組合法人和郷園様の圃場で国内初となる農薬散布ドローン(DJI社製 Agras MG-1)2台の編隊飛行による自動農薬散布実証試験を実施しました。
試験には生産者や農薬メーカーなど約40人がご来場されました。
本試験では、始めに小型ドローン(Phantom4)を約1.7ヘクタールの圃場上空60mに飛行させ地図を作成し、飛行ルートを設定しました。作成した飛行ルートを2台の農薬散布ドローンが同時に飛行し、自律飛行による農薬散布を行いました。通常の手作業であれば数時間かかる作業がおよそ10分で完了しました。
また、今回の試験では農薬の代わりに水を使用しましたが、農薬ヘリに比べドリフトが少なく低空飛行により風の影響を受けにくいことから、隣の圃場へ飛散してしまうことが少く、そこに注目される参加者の方もいらっしゃいました。
今後は、さらに編隊飛行の機体数を増やし、効率化を進めていきます。
運営団体:農業ドローン防除推進協議会
事務局:株式会社スカイシーカー
DJI社製 Agras MG-1について
効率的な農薬散布を実現
1回の飛行で最大1ha散布。約10分で作業が可能です。手作業に比べ数十倍の効率向上が見込めます。
A3フライトコントローラーを搭載
MG-1は高性能な A3フライトコントローラーを搭載しているため、高い信頼性を実現します。農業での利用に最適化したアルゴリズムにより、外部の振動で液体が揺れ動いた場合でも安定した飛行が可能です。A3は2つの気圧計と2つのコンパスを装備。冗長性を採用した設計なので、1つのセンサーで不具合が生じた場合でも、もう1つのセンサーがフライトを維持し、安全性と信頼性を強化しています。
レーダー認識機能
高精度な3つのマイクロ波レーダーが、噴霧タンク前後の傾斜部と下部に配置されています。これらのレーダーが地形を認識することにより、機体は高度を確認することができます。3つのレーダーを搭載することで、より正確な高度情報を取得し、作物から一定の距離を保つことが可能です。
作業効率を考えた送信機
送信機には、強い日光の下でも視認性が高く明るい5.5インチ / 1080pのディスプレイを採用。また、MGインテリジェント・オペレーション・プラニング・システム*1が内蔵されており、作業効率を上げることができます。送信機のバッテリーは、最大5時間の稼働時間を実現し、屋外での長時間の作業を可能にします。
その他特長
- 高精度な噴霧システム
新しい噴霧システムの採用により、さらに高精度な噴霧が可能になりました。前後1組ずつのノズルを制御する互換性のある2 つのタンク が搭載されており、
現在、次の3 つの噴霧モードが使用できます:前方噴霧、後方噴霧、全面噴霧 新しい圧力センサーと流量センサーはリアルタイムで噴霧速度を監視します。
これにより散布中の噴霧速度や噴霧量の動的制御を実現します。下方向の気流をより有効に利用するために、延長ブームを備えたノズルが使用されています。
この噴霧システムはより正確にコマンドに反応できるようになり、散布作業の精度と有効性が向上します。
※日本向け製品には本機能を今後搭載予定です。 - 自律散布システム
本機能を使えば、効率的な飛行ルートを自動的に作成したり、編集したりすることが可能なので、作業の利便性が高まります。また、液体残量を自動で計算し、お知らせします。
※この機能について農林水産航空協会の承認を取得してから導入する予定です。
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