DJI Matrice 350 RTKの機能や特徴|Matrice 300との違いも解説!

2023年5月に発表された「DJI Matrice 350 RTK」は、2025年時点でDJI大型産業用ドローンの最新かつフラッグシップモデルです。

DJI Matrice 300 RTKの後継機となりますが、実に3年ぶりのリニューアル。
Matrice 300 RTKとMatrice 350 RTKとの違いや、どう進化したのかが気になっている方も多いのではないでしょうか?

これからMatrice 350 RTKの導入を検討されている方にも分かりやすく解説しますので、ぜひ最後までお付き合いください!

この記事でわかること

  • DJI Matrice 350 RTKの概要
  • DJI Matrice 300 RTKからどう進化したか?
  • 購入(導入)の費用
  • 購入するのとレンタルするのではどちらがお得か?

DJI Matrice 350 RTKとは

Matrice 350 RTK(以下、M350 RTK)は、Matrice 300 RTK(以下、M300 RTK)の後継機として発表されたDJIの業務用大型ドローンです。

M300 RTKといえば、【世界の業務用ドローンのスタンダード】を確立したドローンですよね。
M300 RTKが持っていた堅牢な造り、長時間飛行、複数のペイロード(カメラ)への対応といった基本をそのまま引き継ぎ、さらにバッテリーや保護等級、副アンテナの追加などの進化を遂げた最新機種がM350 RTKです。

その機能からハードな環境にも耐え、様々な業務において長時間使用できるドローンとして世界の業務用ドローンをけん引する存在です。

M300 RTKからM350 RTKで何が進化した?

1.安定した伝送システム

M300 RTKではプロペラアーム部分に2つのアンテナがついていましたが、M350 RTKでは機体のバッテリー差し込み部の下に副アンテナが追加されました。
これにより、機体と送信機共に4アンテナで送受信できるようになりました。
耐干渉性が大幅に向上し、より安定した伝送が実現します。

2.進化した低照度FPVカメラ

DJI Matrice 350 RTKでは、FPVカメラが低照度条件(夜間)にも強い「STARLIGHT NIGHT FPV CAMARA」にアップグレード。
これにより、夜間の作業でも周辺環境や障害物をクリアに表示することができ、大幅にパフォーマンスが向上しています。

※夜間飛行については、現地の法律と規制に必ず従ってください。

3.TB65バッテリーシステムの向上

画像出典:DJI公式サイト

M350 RTKには新バッテリー「TB65」が採用されました。
従来のTB60から充電効率が進化し、充電サイクルが最大200回から400回まで向上。1回の飛行あたりの費用対効果がかなり高まりました。(TB65はM300 RTKとも互換性があります。)

また、M300 RTK同様にデュアルバッテリーシステムを採用しており、バッテリーのホットスワップに対応しているため、電源を切らずに素早くバッテリーを交換でき、効率的に次の飛行を再開できます。

4.送信機は【DJI RC Plus】を採用

画像出典:DJI公式サイト

M350 RTKでは、送信機にMatrice 30シリーズや Inspire 3 と同じ「DJI RC PLUS」を採用しています。(M300 RTKではスマート送信機でした。)

DJI RC Plusは7インチ高輝度ディスプレイを搭載し、かなり画面が見やすく操作しやすいです。
デュアル操作モードに対応し、内蔵バッテリー+標準の WB37外部バッテリーで最大6時間もの駆動時間を実現しています。
保護等級IP54に対応し、防塵性・防水性にすぐれ悪天候下でも安心。

ファームウェアアップデートにより、M300 RTKでもDJI RC Plusが使用できるようになりました。

5.アームロック検知機能を搭載

画像出典:DJI公式サイト

M350 RTKにはフレームアームにセンサーが搭載され、アームロックの検知機能によりアームスリーブのロックが解除されたまま飛行を開始してしまうリスクを回避できるようになりました。

M300 RTKでは、フレームアームが展開/非展開に関わらず「フレームアームが完全に展開されているかを確認してください」という警告が出る仕様になっており、「アームが開いているのに警告が出てしまった!」と戸惑うユーザーもいたようです。
今回のアームロック検知機能によって、より使い勝手がよく安全な運用ができるようになっています。

6.保護等級がIP45からIP55にグレードアップ

画像出典:DJI公式サイト

M300 RTKの機体の保護等級はIP45、スマート送信機(業務用)は保護等級なしでしたが、M350 RTKでは保護等級がIP55にグレードアップ、送信機(DJ RC Plus)にも保護等級IP54がつきました。
防塵・防水性を備え、悪天候下でも安心して業務を行えます。
機体・送信機とも-20℃〜50℃の環境で動作し、極暑・極寒の環境下でも作業できるようになっています。

M300 RTKからM350 RTKにも引き継がれた性能は?

さて、ここまでM300RTKから M350RTKでアップグレードされた機能についてお伝えしてきましたが、ここからは M300RTK から引き継がれた機能の一部を紹介していきます。

1.DJI Pilot 2アプリ

画像出典:DJI公式サイト

引き続きM350 RTKでも、他のDJI産業用ドローンに搭載されているDJI Pilot 2アプリが採用されています。
飛行ステータス表示が分かりやすく、業務に適した自動航行(ウェイポイント飛行・マッピング飛行などの高精度マッピング)が可能です。

2.パワフルなペイロード

最大積載量2.7kg、最大3つのペイロードを同時に装着可能です。
現時点で以下のカメラが対応しています。

Matrice 350 RTKの価格は?

気になる導入費用ですが、DJIオフィシャルサイトで発表されている定価は以下のとおりです。

  • Matrice 350 RTK Worry-Free Basicコンボ:税込 1,163,700円
  • Matrice 350 RTK Worry-Free Plusコンボ:税込 1,269,497円

ただしこの価格は、DJI公式サイトで購入する場合の定価となります。
DJI産業用ドローンはDJI正規販売代理店から購入する方が、価格面だけでなく導入・アフターサポート面も含め断然お得!

私たちスカイシーカーはDJI正規販売代理店です。
スカイシーカーでは、M350 RTKシリーズについて販売のほか、レンタルサービスも行っておりますのでお気軽にお問い合わせください。

DJI産業機の導入相談・お見積りはこちら!

DJI産業機のレンタルサービスも行っています!

Matrice 350 RTKを購入ではなくレンタルするという選択肢【初期コストを抑える方法】

M350 RTKをはじめとするDJI産業用ドローンは、高機能ゆえに購入時のコストが気になりますよね。
初めて産業用ドローンを導入する企業様、短期間だけ利用したいといった場合、購入ではなくレンタルサービスをご利用いただくことで、以下のメリットがあります。

初期投資の軽減

購入には高額なコストがかかる一方、レンタルなら初期費用を大幅に抑えられます。短期間のプロジェクトや試験導入に最適です。

保守・管理の手間を軽減

レンタルなら、メンテナンスや修理対応はレンタル業者が行うため、運用に集中できます。
また、保険についてもレンタル業者が加入していますので万が一の墜落事故等でも安心です。

最新機種を柔軟に試せる

次々に最新機種が発表されるドローン業界の中で、レンタルなら手軽に最新機種を試すことが可能です。短期利用のほか、購入検討のためにもぜひ柔軟にご利用ください。

スカイシーカーレンタルサービスの概要

当社では、M350 RTKのレンタルサービスを提供しています。
弊社レンタルサービスの強みをご紹介いたします。

  • 最短1泊2日から利用可能
  • ご利用開始日の前日午前中に機材をお届けするので余裕をもって利用可能
  • 商品発送日の前日(土日祝を除く)までであればキャンセル・日程変更が可能
  • 小型機であっても往復送料は弊社負担(8,000円以上のご利用)
  • ドローン本体のレンタル品の中には、バッテリーや充電器、予備プロペラなど必要なものをオールインワンで同梱発送。別途必要なものをレンタルする必要はほとんどありません。
  • バッテリーのみ・カメラのみのレンタルにも対応

なお、他社様ではD-RTK 2は別料金オプションとなる場合が多いようですが、スカイシーカーではM350 RTKをレンタルいただく場合、D-RTK 2もレンタルセットの中に含まれているものもございます。ぜひご検討ください!

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DJI Matrice 350 RTKの主なスペック

サイズ(展開時、プロペラなし)810×670×430 mm(長さ×幅×高さ)
サイズ(折りたたみ時、プロペラあり)430×420×430 mm(長さ×幅×高さ)
対角ホイールベース895 mm
重量(シングル下方ジンバル搭載時)バッテリーなし:
約3.77 kg

TB65バッテリー2個搭載時:
約6.47 kg
シングル ジンバルダンパーの最大ペイロード960 g
最大離陸重量9.2 kg
動作周波数2.4000~2.4835 GHz
5.150~5.250 GHz (CE: 5.170~5.250 GHz)
5.725~5.850 GHz
一部の国や地域では、5.8 GHzや5.1 GHzの周波数の使用が禁止されている場合があり、また、5.1 GHz周波数が屋内での使用のみ許可されている場合もあります(日本では、5.8 GHz帯は使用不可)。詳しくは、現地の法規制を確認してください。
伝送電力 (EIRP)2.4000~2.4835 GHz:
33 dBm (FCC)
20 dBm (CE/SRRC/MIC(日本))

5.150~5.250 GHz (CE: 5.170~5.250 GHz):
23 dBm (CE)

5.725~5.850 GHz:
33 dBm (FCC/SRRC)
14 dBm (CE)
ホバリング精度(無風または微風)垂直:
±0.1 m(ビジョンポジショニング使用時)
±0.5 m(GNSSポジショニング使用時)
±0.1 m(RTKポジショニング使用時)

水平:
±0.3 m(ビジョンポジショニング使用時)
±1.5 m(GNSSポジショニング使用時)
±0.1 m(RTKポジショニング使用時)
RTK測位精度 (RTK FIX)1 cm + 1 ppm(水平方向)
1.5 cm + 1 ppm(垂直方向)
最大角速度ピッチ:300°/s
ヨー:100°/s
最大ピッチ角30°
Nモード時および前方ビジョンシステム有効時:25°
最大上昇速度6 m/s
最大下降速度(垂直)5 m/s
最大下降速度(チルト)7 m/s
最大水平速度23 m/s
最大飛行高度5000 m
2110s プロペラを使用し、離陸重量 ≤ 7.4 kgの時。

7000 m
2112 高地用 低ノイズプロペラを使用し、離陸重量 ≤ 7.2 kgの時。
最大風圧抵抗12 m/s
最大飛行時間55分
Matrice 350 RTKをペイロードなしの状態で、無風環境下で、バッテリー残量が0%になるまで約8 m/sで飛行し測定。このデータはあくまで参考用です。実際の飛行時間は、フライトモード、アクセサリー、環境により、異なります。アプリ上に表示されるリマインダーに注意を払ってください。
対応DJIジンバルZenmuse H20、Zenmuse H20T、Zenmuse H20N、Zenmuse P1、Zenmuse L1
対応ジンバル構成シングル下方ジンバル
シングル上方ジンバル
デュアル下方ジンバル
シングル下方ジンバル+シングル上方ジンバル
デュアル下方ジンバル+シングル上方ジンバル
保護等級IP55
保護等級は恒久的なものではなく、経年劣化または損耗により、時間とともに効果が減衰することがあります。
衛星航法システムGPS + GLONASS + BeiDou + Galileo
動作環境温度-20℃〜50℃
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